5月なので国道を散歩してみた

スタッフの寺山です。


よく知床はどの季節がいいの、と聞かれます。

私は冬好きで、自分のフォトアルバムは白い風景と犬の写真ばかり。

そんな私でも、5月の新緑、は外せません。北国の一番美しい季節の一つです。


一斉に芽吹く山の緑は同じ一日の午前と午後でさえ装いを変え、長い冬を越えた生き物たちが「生き延びた!」と叫んでいるようです。そんなドラスティックな生命の躍動を感じるには、実は「散歩」が一番です。

新緑のイタヤカエデ

知床は装備を整え、ガイドさんを頼んで歩くイメージがありますが、ホテル街のあるウトロは、私たちの生活の場所でもあります。コロナで運動不足になっているのはどこも同じ。私たち住民もよく家からてくてく散歩します。

お勧めは、海沿いを走る国道です。山の風景も海の風景も楽しむことができますし、ちゃんと歩道がついているので、車の往来を気にせず歩くことができます。

googleさんによると、ウトロのセブンイレブンから、幌別橋まで歩いて2㎞、24分とのこと。


歩き出すとすぐに、海が開けます。道はこんな感じで立派な歩道です。

下の写真の左側の岩は、ブラタモリ「知床編」で水冷破砕岩(?!)として紹介されていた岩です。


車に乗っていると気が付かないかもしれませんが、海沿いには漁師さんの作業場が点在しています。午前中なら、網を繕う作業を目にすることもあります。

これなんだかわかりますでしょうか。

少しスペシャルな「ゴミステーション」です。クマが開けられないよう、扉が工夫されており、ひっくり返されないよう土台は1tの重さがあります。

ここには人が住んでいますから普通にゴミが出ます。一方、クマも普通に歩いていますので、もしヒグマがゴミに餌付いた場合、「ヒトの近くに食べ物あり」と学んだクマが繰り返し現れることにつながり、とても危険です。

そこでクマが取れないゴミステーション、その名も「とれんべあ」が各所で活躍することになるわけです。



地元の人も観光の方も車で往来することが多く、歩かないと気が付かないですが、実はバス停もあります。「待っていたらチャンと止まるよ」と、バス会社の人が言っていましたので、帰りはバスという手も?!


ゴールの幌別橋が見えてきました。この橋から向こうは、「世界自然遺産地域」です。正確には、橋のかかっている幌別川が、境界線になります。

世界自然遺産は、この自然を次世代に引き継ぐための制度ですから、自然保護が優先される地域です。

ここから先は、ヒトよりクマ優先の国。幌別川は、その国境のようなものでしょうか。


それでは、国境を歩いて越えます!

ヒグマの国に入りました!


橋の上でしばし、まったり。

世界遺産地域から夕陽を眺めて、来た道を戻ります。

暗くなる前にヒトの国に戻らねば!


この道は、ランニングや自転車でも実に爽快なのですが、「散歩」にかなわないと思う点が2点あります。

「匂い」と「音」です。

一定の移動スピードを超えると、匂いや音を拾いきれずに逃してしまいます。ある時期、毎日この道を通勤していたのですが、歩いた時に初めて逃していたものに気づかされました。毎日見ていたのは、見えていたものだけだったわけです。


本来人間の感覚とか機能はそんなもの、歩くくらいがちょうどいい生き物なのかもしれませんね。


是非、ご自宅の近くで歩いてみてください。



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